森と、川と、何気ない日々と
天竜

天竜の中心市街地に流れる二俣川は街の人々の憩いの場。
はじめまして、静岡県の天竜に住む、
中谷明史と申します。
浜松市の中でも
中山間地域に位置する天竜区。
「日本三大美林」と謳われる山々の風景、
段々と続く茶畑は、その美しさもさることながら、急勾配の斜面に一本一本苗木を植えてきた先人達の苦労を感じます。
そんな山と山の間をぬうように大きくうねりながら天竜川が流れます。
かつては林業、鉱山、茶栽培などで栄え、山間の地域独特の文化や営み、風習がそこかしこに残っています。
そして他の地方と同様に少子高齢化や人口減少、空き家問題等に直面していますが、山と川に育まれる自然豊かな暮らしを求めて、移住する人も増えつつあります。

駅舎ホテルのある天竜浜名湖鉄道「二俣本町」駅
僕は5年前、大好きな地元を面白くしたいという思いが積もり積もってUターンし、
地域の中心の古い商店街で小さな喫茶店をはじめました。
そこから本当に色々なことがありましたが、おかげさまで今では地域の内外問わず仲間も増えて、昨年には地元のローカル線の駅舎を改装した一日一組限定の宿「駅舎ホテルINN MYLIFE」をオープンするなどし、大好きな地元の風土や人々を、外の人とつなげる日々を送っています。

掛川~奥浜名湖を結ぶ、天竜浜名湖鉄道の車内
そんな天竜の何が好きかと問われれば、いつものゆるい日常や、そこに住んでいる人々なんだと思います。
透き通った川のほとりをぶらっと散歩するだけで季節の移り変わりを感じられたり、ふとした瞬間に見上げた夜空がものっすごく綺麗だったり、家の窓を開けてボーっと本を読んでると下校途中の子供たちのはしゃぎ声が聞こえてきたり、近所のおばあちゃんが手作りの佃煮をこさえて遊びに来てくれたり…。
何気ない日々が僕にとってはかげがえのないものなんです。
そんな天竜の人々と暮らしを紹介する取り組みをしていこうと、仲間達と共にスタートしたのが「山と茶」プロジェクトです。
ウェブサイト「山と茶」では、地域の人たちのディープなエピソードを記事化しています。
天竜は、アウトドアスポーツのフィールドとしても最高なんです。
近くには奥浜名湖連峰というトレッキングにピッタリの山もありますし、カヌーイストの隠れ聖地「気田川」でのカヤックツーリング、平成の清流100選に選ばれた「阿多古川」での川遊びやキャニオニング(沢のぼり)など、盛沢山のアクティビティも楽しめます。
正直、1ヶ月くらいは滞在しないと味わいきれないかもしれませんが、まずは一度、天竜で暮らす仲間たちと、天竜の森と川に、会いにきてください。
Curator 中谷明史(ナカタニアキヒト)
1990年、静岡県浜松市生まれ。中学一年生の時に天竜市(現天竜区)に引っ越し、青春時代を過ごした後東京農業大学醸造学科へ進学のため東京へ。在学中から某オーセンティックバーで働き、そのまま就職。その後、「東京R不動産」に参加。2015年浜松にUターンし、「KISSA 山ノ舎」をオープン。現在は旅行業・宿泊業・イベント企画運営業など、もはや何屋なのかよくわからないが、地方で人生を満喫している。一児の父、趣味は山に住んでるのにサーフィンと海釣り。