一日2組限定の人気宿 HOUSEHOLDが

氷見の日常にこだわるワケ

LOCAL DIVER INTERVIEW

#1HOUSEHOLD 笹倉慎也さん・奈津美さん

富山県氷見市

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勝手口だから見える景色がある

――HOUSEHOLDは、さまざまな空間で構成されていますね。

 

慎也 1階が喫茶店、2階がギャラリー、3階が僕たち2人の住まいで、4階が宿です。

宿としては、一日二組限定ですね。

 

――洗練されていながら温かみのある空間とここならではの体験が話題を集め、すでに人気の宿となっていますね。

特に、氷見の日常を感じられる点が魅力ですよね。

 

奈津美 ありがとうございます。

私自身、旅先で現地のおじいちゃんとかおばあちゃんや、

初めて会った人にめちゃくちゃ優しくされたり、何もないまちでボーッとしている経験に救われてきたので、そんなまちの日常を届けたいと思ってやっています。

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――いわゆる観光地というよりは、何もないところで普通のおばあちゃんや情景に触れる大切さですね。

 

奈津美 それに加えて、食のコンテンツですね。

私自身こちらに来て、氷見の食の素晴らしさに魅了されたん

です。

スーパーに売っている謎のお魚がめちゃくちゃおいしかったり、地元の人の振る舞ってくれる家庭料理に感動したり。

そんな日常の中にある感動に光を当てたかった。

 

慎也 とはいっても、実際旅に行くと、そういう日常にある光景や食、ローカルの人々とはなかなか出会えないですよね。

だから、僕らがその中継点になって、そこの橋渡しになればいいかな、という気持ちではいます。

 

――それが「”正面玄関”の観光ではなく、”勝手口”から始まる旅」というコンセプトで表現されているんですね。

 

奈津美 そうですね。

家の勝手口から台所にお邪魔する感覚で、気軽に氷見を楽しんでほしいです。

氷見の豊かすぎる食と日常

――HOUSEHOLDは、まちの良いところを編集して届けるメディアのような存在ですよね。

まちで暮らす人々の息吹が伝わってくる。

そして、自ら体験してもらって、食や暮らしを含めて氷見を味わってもらう。

そのためにどんな工夫をしていますか?

 

慎也 画一的におすすめを教えるのではなく、お客様の趣味嗜好や希望を聞いて、それにマッチするであろう場所や人を紹介していますね。

 

奈津美 釣りが好きって言ったら、じゃああそこに面白い釣りのおじさんがいるから会ってみたら?みたいな、RPG的なおもしろさがあります(笑)。

それで実際に会ってみての体験を聞くのも楽しい。

実際に近所の釣り人のおじさんが

「今日はこれだけ取れたから、どれ持って行く?」

みたいな感じで宿に持ってきてくれるんです。

その時に、ゲストと一緒にわーって盛り上がって一緒にさばいて食べたり。

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慎也 ちなみに、氷見ではたくさんの定置網が仕掛けてあって、寒ブリ以外にもいろんな魚が取れるんです。

だから、漁業とか魚が好きなお客様も結構多いですね。

逆に、何も知らなくても、僕らが漁業や競りの話とかをすると、

行きたいってなって、それでご案内するというケースもあります。

奈津美 私たちの宿は夕食を提供していなくて、まちの飲食店で食事するか、宿のキッチンで、自分でご飯を作っていただくんです。それで、普段料理をされない方には

「このイカはこうやって食べると美味しいですよ」なんて説明しながら、一緒に地元のスーパーを回る「お買い物ツアー」もやっています。

都会にはないお魚があるのでびっくりされます。

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――例えば普段都心で働いていてストレスがたまっていそうなお客さんにはどこをご案内するんでしょう。

 

奈津美 観光地でもなんでもないんですが、天国みたいな美しいところがあって。

みかん畑があって、海が見えて、車の音は一切聞こえない。

ちょっと疲れているお客様がいたら、ご案内しています。

 

慎也 朝日も素晴らしいです。

仕事で辛いことがあっても、これを見るだけで、悩みは吹き飛んでしまう。

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奈津美 やはりまずは自然に癒されてもらうことですね。

あとは、美味しいもの。私たちがいつも紹介している飲食店さんって、話聞くのが上手だったりするんです。

大将が「どっからきたんけ〜!」「一人で何しにきたん?」

ってずけずけ聞くんですよ(笑)。

するとお客様も、旅先だからこそ吐き出せることがある。

食事も、注文してないものがいっぱい出てきたりして(笑)、そんな温かさにほだされて帰ってくる人が結構います。

 

慎也 それと、魚屋さんに「今日のオススメはなんですか?」

って聞いてもらって、それを買って料理してほしい。

旅先の知らない人が紹介してくれたものに触れて、普段とは全然違う環境で新しく何かを作ってみる、違う頭を使ってもらうとリフレッシュできるんじゃないかなと思います。

 

――今のお話を伺って思ったのは、HOUSEHOLDに2泊したいということ。

1日目は大将が、頼んでないものをいっぱい出してくれて、

ほだされたい。

2日目は、お二人と食事を作って一緒に食べたいです(笑)。

 

奈津美 1泊だと足りないですね。

氷見は都会とは時間の流れ方が違うんです。

ここの空気感に触れると、いままでの固定観念から解き放たれて、こんな暮らし方もありだな、と考えられるようになると思います。かつての自分がそうでしたから。

 

慎也 “もう一つの実家”ぐらいに思えていただけたら

嬉しいよね。

僕ら以外にも温かく迎えてくれる地域の人々、いっぱいいます。

それで温かい気持ちになってもらえたら幸せですね。

–必ず伺います!今日はありがとうございました。

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